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2018.12.08
Saturday

oteshio店長コハゼの「着物相談室」その2


oteshio店長 コハゼ

前回に引き続き、モチャモチャした悩みに、わたしがにゃーんとお答えしてあげる!

Q 私は20代後半のOLです。普段からシックな洋服が好みで、とくにグレーや茶ベースの無地が好き。花柄なんてもってのほか。なのに母の行きつけの呉服屋さんに行くと、「そんなお地味な色は、年をとってからいくらでも着れるんだから。若いときはきれいな色の着物を着たほうがいい」と呉服屋のおじさんに言われ、淡いピンクやブルーの色無地をゴリ推しされてしまって。どうして、私が着たい地味色はダメなんでしょう?ってモヤっとしました。でも、母がお世話になっている呉服屋さんだから、あまりはっきりと断れないムードもあって、最初くらいはオススメの着物にした方がいいのかなと悩んでます。

A あら、趣味が合うわね、私も白黒猫としてモノトーンのシックカラーが大好き。もし私をピンクに毛染めしようとする飼い主だったら、その日のうちにおさらばしちゃうわよ。
「若い世代=きれいな色、花柄」て、それってかなり古びたセンス。グレーや茶の着物は、お地味だって?上等じゃない。だって、おしゃれの基本として、着る人それぞれに似合う色柄を選ぶのが、当たり前のことでしょ。
もちろん、着物独特の色合わせや柄合わせで、レトロ着物コーディネートを好む人もいるけれど、今は着物でも洋服ぽい都会的なシンプルな配色を好む人も増えてきてるわよ。
地味だからって、若いときはダメってことはないわよ。
20代で買った地味な着物に地味な帯で全身シックに決めても、肌にツヤがあるから、きっと似合うわよ。その地味な着物は50代では派手めの帯を合わせたりすると、また違う魅力になるわけ。

お母さんとおつきあいのある呉服屋さんだから、お母さんとは相性がいいだろうし、どちらもあなたにとって、よかれって思いはあるんでしょう。それでもね、お母さんや呉服屋さんが、あなたの好きな着物に聞く耳を持たないってことは、あなたの個性を尊重されてないってことでしょう。それってどうなのぉー。

それから私がモヤっするのは、あなたが着物を買ってもらうのか、自分のお金で買うのかってとこね。自分のお金で買うんだったら、自分が納得する一枚を手に入れて当然でしょ。
でも、お母さんに買ってもらうんなら、親孝行のつもりで一枚はお母さん好みの着物を選ぶのか。いいえ、好きじゃない着物ならいらないと貫けるのか。
それは、あなたの生き方にも通じるから、私が決めることじゃないわ。あなたが決めて。

1つだけ言っとくのは、着物も洋服でも、あれダメこれダメって、人の着るものに「ダメ」をゴリ推しするような人からはサッサと逃げることね。