2026.07.02
Thursday
籠・Kago・カゴ|時間が育てる美しさ
[ 籠・Kago・カゴ 展 ]

2017年、雑誌『七緒』の取材を受けた時の写真です。
手に持っているのは、喜多共子さんの葡萄の蔓の籠。

ふと見返してみると、あの頃から変わらず、この籠を使っていました。
最初はアフリカの草ビロードの布が付いていましたが、毎日のように使ううちに擦り切れてしまい、近くの革工房でヌメ革の蓋を作っていただきました。
冬にはムートンの蓋に替え、季節に合わせて表情を変えながら、着物の日も洋服の日も、一年を通して使っています。
そんなふうに、10年以上使っている、喜多共子さんの籠です。
途中、一度だけ喜多さんにメンテナンスをお願いしましたが、使い続けるうちに少しずつ色が深まり、今では購入した頃とはまた違う表情になりました。
手に取るたびに、「時間も一緒に育ってきたんだな」と感じます。
今は、断捨離や終活など、「できるだけ物を持たない」という考え方に触れる機会も多くなりました。
それも一つの素敵な生き方だと思います。
でも私は、本当に気に入ったものを手入れしながら長く使い、その時間の変化を楽しむ暮らしが好きです。
おてしおでご紹介しているものも、そんなふうに年月とともに表情を変え、使う人の暮らしに寄り添ってくれるものばかりです。
一つのものを選ぶことが、また次の楽しみや、新しい出会いにつながっていく。
そんなお手伝いができたら、とても嬉しく思っています。



