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2019.02.07
Thursday

oteshio店長コハゼの「着物相談室」その4

 oteshio店長 コハゼ

これからの卒業・入学シーズンに向けての相談にニャンとかするわ!

Q この春迎える、長男の入卒式の着物じたくの相談です。

私は結城紬を着たいのですが、義母から「紬は普段着だから、色無地か、せめて小紋にしたほうがいい」とひとこと。普段着っていっても、私が持ってる結城紬は祖母譲りの高価なもので、色柄に品もあるから、よそゆき感は十分。でも義母の意見も引っかかり、そんなに気に入ってないけれど無難に色無地か小紋にしようかなぁと迷います。着物を着る機会があまりないので、とっておきの紬を着て、ハレの日のテンションを上げたい気持ちも捨て切れません。自分が気に入った色無地を一枚誂えるのが一番いいでしょうが、コストがかかるしなあ、、、。

 

A あらあら、ニャンという勘違いさんかしら。そりゃあ、常々「おしゃれは自分らしさ」が大事って、あたしはいってるわよ。でもね、ことフォーマルで着るものは、セレクトの軸が違うでしょ。

まず、ベーシックな着物の決めごととして、織りの着物は総じてカジュアルで、染めの着物がフォーマル。昔は紬の訪問着とか、着物通が遊び心で誂える、よそゆき紬もあったわよ。そういう紬は、今どきのおしゃれ感覚が通用するパーティーや慶事なんかでは、なじむ場面もあるだろうし、考え方でも幾分違ってくるわ。でもあなたの義母様のような、昔ながらの感覚の人たちと同席する公の場なら、もっと空気を読みなさい。グレーゾーンの装いをして、あなたは気にならなくっても同伴者が恥ずかしい思いをすることもあるでしょう。

フォーマル着物のセレクトでは、「自分らしさ」「お気に入り」より先に、「誰のために」着るのかを一番に考えるべき。入卒式なら、主役は子どもでしょう。こういうとき、あたしが爪をたてたくなるのは、着物だろうが洋服のワンピースだろうが、子どもより目立ってる母親ね!!

フォーマルの染め着物や帯を新調するとコストがかかるから、親戚に借りたり古着を利用してもいいんじゃない。大人のおしゃれは割り切りが必要よ。